作品コンセプト 「和の美・篆書の宇宙」

 

漢字の古代の字体である篆書(てんしょ)

その独特な丸みのある形は「不思議な生命体」を思わせます

篆書の持つ生命力に魅了され、篆書をモチーフにした作品シリーズ

「和の美・篆書の宇宙」を制作しています

 

 

モチーフについて

日本文化の中の沢山の要素のうちから3つのモチーフを選んで

画面を構成しています。

篆書のモチーフ:

篆書は古代に中国大陸から渡来した漢字のもっとも古い字体で、

独特の丸みのあるデザインが特徴です。書道字典「五體字類」に掲載されている

字体をもとに、アレンジしています。

人体のような無数の細胞が寄り集まって形成する「生命体」のイメージを

表現するために「細胞」を想起する点描を用いて描いています。

雲のモチーフ:

日本の伝統文様の一つで、悠久の時を越えて変ることの無い大空のイメージを、

長い年月を経て現代に受け継がれている伝統文様によって表現しています。

石組みのモチーフ:

古代に造られた明日香の石舞台古墳や、城の石垣、枯山水庭園の石組みなど

石を用いて表現される日本の美意識から着想を得ています。

石組みのモチーフは大地のイメージを表現しています。

背景:

画面の背景は手透き和紙をイメージし「和み」を表現しています。

 

画材と技法について

画材:

古代から現代に至るまでずっと使い続けられている「墨」と

耐久性が高く、墨とも相性のよい現代の画材・アクリル絵具を用いています。

技法:

各種ブラシを用いた線描、ドット筆による点描、

スタンプやスクラッチなどの技法を用いています。